交通手段の中でも1番利用するのが、車移動、という人も多いですよね。
特に、お子さんが居る方、荷物がどうしても多くなる、という方には重要な移動手段でもあります。
その車移動に便利なのが、高速道路ですよね。
長距離の移動には欠かせないのですが、信号がなくてスイスイ行ける分、移動にかかるお金もスルスルと高くなります。(あまり上手くは言えてない(笑))
その高速道路の料金にも、障害者割引の制度があります。
ここでは障害者割引の制度内容から利用方法、よくあるQ&Aまで幅広く紹介しますね。
高速道路の障害者割引制度って?
有料の高速道路には、電車等の交通機関と同じく、障害者の割引制度があります。
これは障害者の自立と社会経済活動への参加支援のため、設けられている制度だそう。
ありがたく感謝しつつ、しっかり利用してお金の負担を軽くしていきましょう。
では気になる割引率ですが、高速道路を利用するときの距離に関係なく、割引率は5割(半額)となります!
高速道路をよく使う、という方には大きいですよね。
割引制度を利用する条件は?

では、実際に利用するための条件を整理していきましょう。
1つずつ、自分は対象になるか、確認してみてくださいね。
障害者手帳の所持、だけではダメな場合も!?
まず「身体障害者手帳」または「療育手帳」の所持が条件となります。
どんなに障害を持っている、と主張しても、手帳の所持が必要となりますので注意ですね。
なお、「精神障害者保健福祉手帳」は対象外となっています。
さらに、障害者手帳を持っている全ての方が対象となるわけでもありません。
ここからは、自動車の運転を誰がするのか、によって変わります。
障害者本人が自動車を運転する場合
障害者手帳の交付を受けている本人が運転する場合は、全ての方が対象となります。
本人が運転するときには、障害者手帳の等級に関係ありませんよ。
障害者本人以外が自動車を運転する場合
障害者本人が運転せず、車に一緒に乗っている場合は、更に条件があります。
一緒に乗る障害者本人が、「重度の障害を持っていること」が必要。
具体的には、「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」の第1種と同じ範囲となりますよ。
「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」とは、障害者手帳を開くと記載されている項目です。
なお「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」は、第1種と第2種と2段階あります。
第2種の場合は、本人以外が運転するときには対象外となりますので、注意ですね。
自動車にも制限あり
障害者手帳では対象になる、という方は、次に自動車も見ていきましょう。
自動車にも条件はありますが、概ね簡単な条件ですので安心しつつ、確認してくださいね。
自動車の台数
障害者割引の対象となるのは、1台までとなります。
なお障害者1人につき1台、のため、家族で2人以上いる場合は、人数に応じて対象となりますよ。
自動車の車種
自動車の車種にも細かな条件が設けられています。
乗用自動車の場合
自動検査証等の「用途」に「自家用」と記載されているもので、かつ乗車定員が10人以下であること。
軽自動車でもOKですが、事業用で登録している場合は、NGということですね。
他にも「特殊用途自動車」や「二輪自動車」の場合にも、条件があります。
詳細は、リンク先にて確認してくださいね。
参考
NEXCO東日本「有料道路における障害者割引」
自動車の所有者は?
自動車を買う場合、誰が所有者になるか=誰の車か、は状況によって変わりますよね。
普段は誰のモノでも、車が空いていて使えるのか、が一番重要で、知り合いに中古を貰ったばかりで、名義はそのままなんてことも。
しかし、障害者割引の対象となると、話は変わります。
基本的に、障害者割引の対象となるためには、以下の誰かが所有者でなければなりません。
ざっくりというなら、障害者本人かその家族の名義であることが必要、ということですね。
なお障害者本人以外が運転する場合は、上記の要件以外でも日常的に介護している人も対象となりますよ。
また所有者は、個人名義であることも必要です。
よくある例として、自営業を営んでいる方で、会社の名前で車を持っていて、プライベートと併用している、という方は要注意ですね。
割引制度を利用するためには?

制度の利用条件もクリアした!という方、そのまま高速道路に向かってはダメですよ!
障害者割引を利用する場合は、必ず事前に申請等が必要となります。
他の割引サービスのように、障害者手帳を持って行けば、というわけではありません。
ここでは申請の方法等を紹介しますね。
申請が必要
高速道路の障害者割引については、必ず事前に申請が必要となります。
障害者手帳を持っているし、車などの条件も満たしているのに、となりますよね。
しかし1度手続きをすれば、あとは定期的に坦々と更新するのみ、と簡単です。
あ、更新あるんだ、と思うかもしれませんが、窓口に行けば良いだけ、とそこまで面倒ではありませんよ。
では申請の方法について、事前の申請と更新時の申請と分けて紹介しますね。
①事前登録
まず障害者割引を受けたい場合の、最初の申請ですね。
申請先は、市町村の窓口になります。
持ち物は以下の通りとなりますので、忘れ物に注意ですね。
※ETCカードを利用しない、という場合は、リストの下2つは不要
基本的には、ETCカードの名義は障害者本人である必要があります。
ただし未成年でかつ障害者本人が運転しない場合には、親権者等の名義のETCカードでも対象となります。
市町村の窓口にて、申請書を書いたら、障害者手帳に割引が適用されることを確認した証明をしてもらいますよ。(申請書は窓口にてもらいます)
これはシールか、スタンプが押されるか、さまざまなようですね。
(私は手帳に直接スタンプが押されています。引っ越したり、車を変えたりで、今やスタンプだらけの手帳となっています(笑))
②更新申請
高速道路の障害者割引は、必ず有効期限があります。
手帳に証明をされたときに、記載されているはずですので、忘れずに確認しておきましょう。
更新するときは、有効期限の2ヶ月前より申請することが出来ます。
更新手続きは、事前の申請と同じく市町村の窓口にて行いますので、期日に余裕を持って手続きしてくださいね。
なお持ち物は、申請時の持ち物と一緒ですよ。
制度を利用する方法は?

申請まで完了した、いよいよ高速道路へ!
いざ行こうと思ったら、気になるのが利用方法ですね。
しかも最近は、料金所に係員がいないことも多いので、高速道路上で立ち往生するのはさすがに避けたいはず。
利用方法を紹介しますので、利用前に一読してくださいね。
料金所で係員に料金を支払う
高速道路で料金所にて料金を支払いますが、係員のいるレーンを通る際は、必ず障害者手帳の提示が必要となります。
すぐに障害者手帳を提示できるように、準備しておくとやり取りがスムーズに進みますね。
なお、ここでは障害者手帳に記載されている、車のナンバーや有効期限を確認しますので、手帳を開いて確認されることになります。
もし、何か他の割引券などを挟んでいる、という場合は、注意してくださいね。
また料金精算機で清算する場合は、係員を呼び出して確認して貰ってください。
ETCレーンを通る
ETCを利用する場合は、上の申請でも記載しましたが、ETCの機械やETCカードの事前登録が必要です。
事前申請が必要なものの、申請さえしていれば、そのままETCレーンを通行すればOK!
注意点は、必ず障害者割引の申請をしたETCカードを利用する、ということ。
また利用の際は、必ず障害者手帳を携行しましょう。
なおレーンを通ったときに、料金がいくらかかったのか、機械が教えてくれますよね。
その金額は、障害者割引の前の料金となります。
金額を聞いて、あれ?って思っても、請求されているときには割引されていますので、安心してくださいね。
(反面、もし請求明細で割引では無い場合は、注意ですよ!)
高速道路の障害者割引制度~よくあるQ&A~

高速道路の割引制度を利用する上で、私も疑問に思ったことが多々ありました。
ここでは、そんな疑問点と答えも紹介しますね。
深夜割引や休日割引とは併用されるの?
高速道路の割引制度で、障害者割引と併用されることはありません。
深夜割引や休日割引などよりも、割引率の高い障害者割引が優先して適用されます。
車を替えた、ETCカードを替えたい、等という場合は?
車も短期ではないにしても、何年かに1度は買い換えますよね。
または登録していたETCカードを替えたくなった、など申請済みのものを、替える場合がありますよね。
その場合は再度、市町村の窓口にて申請が必要となります。
その際、ETCカードは、申請から実際に割引で使えるようになるまで、数日から数週間、必要になる場合も。
利用する日が決まっている、という場合は要注意ですね。
障害者割引の登録をした自動車で、登録していないETCカードを使った場合は?
せっかく障害者割引の登録をしたETCカードが見当たらない!
でも自動車は登録したやつだし、申請していないETCカードでも・・・と思ってもダメですよ。
ETCを利用する場合は、事前に登録をしたETCカードで利用しない限り、割引の対象とはなりません。
もし突然、ETCカードの不具合が起きた、というときは、係員のいる料金所に行きましょう。
車をローンで払っている最中なんだけど・・・
車は高額のお買い物の1つですよね。
そのため車の購入はローンで払っている、という人も。
障害者割引の適用することに関しては、車のローンは関係ありません。
一括で払い終わった車でも、ローンで払っている最中の車でも、割引を適用できますよ。
ただしローンで払っている場合は、割引の申請時にローンの契約書が必要になりますので注意してくださいね。
自動車リースは対象なの?
制度として増えてきている自動車リースを使っている、という人もいらっしゃるかもしれませんね。
自動車の使い方によっては、お金の面でとても賢い使い方です。
ではそのリースの場合は、障害者割引の対象となるか気になりますね。
今現在は、自動車検査証等の「使用者の氏名又は名称」に、誰の名前が書いてあるか、がポイントとなります。
この使用者の欄に、自動車の所有者要件で紹介した、障害者本人や親族等が記載されていればOKですよ。
ただこれは、自動車リースの契約方法にもよりますので、対象となるか分からない場合は市町村の窓口で聞いてみてくださいね。
なお、旅行などで借りるようなレンタカー、車検や修理している最中の代車は対象外となります。
高速道路の障害者割引制度を賢く、正しく利用しよう

通勤や病院への通院など、高速道路を日常で使う方にとっては、5割の割引サービスはとても大きいはず。
割引サービスとして嬉しい反面、時々、不正利用が話題になるのも事実です。
お金の面で負担を減らすことは大切ですが、不正利用は制度そのものを危うくしかねません。
制度を正しく理解して、うまく利用して、高速道路で快適な移動にしましょう。
そしてちゃっかりとお金の面では利用して、負担を減らしちゃいましょう!
ファイナンシャルプランナー 山口 真未
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