障害のある子供の教育費って?~かかる費用と利用できる制度まで紹介~

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こんにちは!障害者ファイナンシャルプランナーの山口真未です。

まみ
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記事のポイント

パパ・ママが、いつでも気になるのが『教育費』ですよね。

色々な制度があっても、ある程度は「自分でお金を準備する」も事実です。

さらに、もし子供に障害があったら、何かサポートが無いかなと思いますよね。

そこで今回は、障害のある子供のために使える、教育費の制度をご紹介しますね。

教育費って、いくらかかるの?

まずは、そもそも教育費って全部でいくらかかるの?って、基本から紹介しますね。

授業料だけでなく教科書代や学校の外で通う塾なども含めて、金額を見てみましょう。

ざっくりと、ずっと公立なら1,000万円私立なら2,500万円と金額の差があることが分かりますね。

ただ実際には、地域差があったり、習い事の種類等でも大きく変わります。

ココでは、公立と私立で大きく変わると、知っておきましょう。

障害のある子供(障害児)の場合は?

では教育費の全体がわかったところで、障害のある子供の教育費は?との疑問へ。

まずは、大きなイメージから紹介しますね。

基本的には、変わらない

まず幼稚園や小学校、高校までを考えても、基本的には変わりません

例えば障害のない子供と一緒に学校へ通った場合、同じだけお金が掛かります。

そもそもですが、公立の小学校や中学校の場合は、授業料がかかりません。

お金が掛かるのは教科書代や文房具、ランドセルなど「学校で授業を受けるために必要なモノ」。

また高等学校では、収入次第での学費免除もあるので、上手く活用していきたいですね。

ただし、私立で子供にあうプログラムを選択したい場合、施設によっては大きくお金がかかる、と覚えておきましょうね。

ただサポートがある場合も

基本的には、同じとなる教育費ですが、サポートがあることも事実

ただし他の制度と同様に、利用できるかどうかは障害の程度等にも関わります。

まずは、制度を知ることが大切なので、利用できるものをご紹介しますね。

未就学児(小学校に上がる前)

まずは小学校に上がる前、幼稚園や保育園に通う頃です。

この時期には「児童発達支援」を、受けることができます。

児童発達支援とは、身体や精神・知的障害のある子供や家族へ、社会生活に必要な力を身につけられるようにサポートしてくれるもの。

他にも地域で支援を受けられるよう、関係機関との連携を強化してくれることもあります。

また保育園や幼稚園に通っているときは、「保育所等訪問支援」が受けられる場合も。

これは保育園等へ巡回をし、先生方へ支援をしてくれるものです。

詳しくは、お住いの自治体へ問い合わせてみてくださいね。

利用するには

児童発達支援を利用するときは、まず住んでいる自治体へ支援の申請が必要。

この申請により「障害児通所給付費」の受給者証をもらうことで、利用料が給付され、自己負担を少なくなります。

自己負担の金額は、前年度の所得によって変わるので、注意してくださいね。

(※画像はクリックで大きくなります。)

小学校・中学校

ここからは小学校入学、中学校入学の段階で、保育園や幼稚園と何が変わるのか。

変わる部分に重点を置いて、ご紹介しますね。

特別にかかるのは、交通費かも?

基本的には、授業料等は他の子供と、変わらないとは紹介してきました。

より必要なのは、交通費や行くために必要な補助の道具かもしれません。

例えば、家から近い学校ではなく「特別支援学校」へ行きたい場合。

もしかしたら家の近くに、その学校が無いこともありますよね。

学校へ通うために車で送り向かいをする、近くのバス停までの移動が難しいので、車イスなど補助の道具を買うこともあります。

ただし、この交通費も道具への支援がありますので、後ほど紹介しますね!

実はこれは、私の実体験でもあります。
私自身は公立の中学校へ通いましたが、自転車で通学する距離の場所。

でも当時の私は自転車へ乗れなかったので、母が毎日送り向かい。
ガソリン代を思うと・・・毎月の負担は大きいですよね。

学校が終わったら、デイサービスの選択肢も

学校へ通う頃、もう一つ心配なのが放課後や長期のお休みですよね。

今は学校に学童がある場合もありますが、他にも選択肢があります。

それは、放課後等デイサービスを利用する、という方法。

このサービスがあれば、学校時間に終わるような仕事を探さなくちゃ、という心配も少しはなくなりますね。

なお利用するには、お菓子代や消耗品を買う場合がありますので、注意してください。

利用するには

上で紹介した「児童発達支援」が、小学校に入学したことで「放課後等デイサービス」に切り替わるイメージ。

そのため利用するには、「障害児通所受給者証」が必要となります。

なお受給者証があることで、利用料が給付されるので自己負担を少なくすることもできます。

自己負担の金額は、前年度の所得によって変わるので、注意してくださいね。

(※画像はクリックで大きくなります。)

高等学校

高等学校の学費は、公立と私立で大きく変わるだけでなく、授業料がかかりますよね。

ただ、今は国による支援制度もありますので、一緒に紹介します。

授業料は「高校無償化」の対象

高等学校は、小学校や中学校とは異なり、義務教育ではありませんよね。

そのため基本的には、授業料が発生します。

ただし2020年4月から私立の学校まで含めて、授業料の無償化が始まっています

これは公立学校、私立学校だけでなく、特別支援学校等も対象

そのため授業料に関しては、小学校・中学校と同じように無料になる可能性があります。

ただし世帯の収入によって、支援の金額が変わるので注意しましょう。

詳しくは、文部科学省のこちらのPDFを参照してくださいね。

なお特別支援学校は、元々の授業料が安い場合が多いので、制度が利用できなくても負担が少ない場合も。

また放課後や長期の休みは、放課後等デイサービスの利用ができます

詳しい内容は、上記の内容を参考にしてくださいね。

寮生活が必要な場合も

高等学校では学校に通うだけでなく、「何を学ぶか」が大切になりますよね。

また特別支援学校の場合は、全体的に数が少ないこともあり、寮生活が必須になる場合も。

その場合は、寮生活で必要になる日用品や食費等もかかることになります。

これから高校に通う、という場合は視野に入れておきましょうね。

活用できる補助制度は?

ここまで必要になるお金と、就学の支援になる制度を紹介してきました。

さらに小学校から高校まで、絶対に必要になる教科書や文具用品等を購入するときに、助けになる制度を紹介します!

特別支援教育就学奨励費

上でも紹介した通り学校に通うために必要な、授業料は支援が多いです。

ただ学校に通うには、給食費や教科書代、日用品等、色々なお金が掛かりますよね。

そのお金ついて、障害のある子供が、特別支援学校や特別支援学級等で学ぶ場合に補助が出る場合があります。

その制度の名前こそ、「特別支援教育就学奨励費」!

利用するには、学校だけでなく障害の程度や世帯の収入で変わってきます。

また、申請が必ず必要となります。

詳しくは、自治体へ問い合わせてみてくださいね。

なお自治体によっては、条件が緩和されていたり、プラスで補助を出している自治体も

ぜひ一度は、自治体に問い合わせてみてくださいね。

道具への補助

移動等をする際に、車イスや杖など道具が必要な場合には、その道具の購入を支援してくれる制度もあります。

それが「補装具費」や「日常生活用具費」の支給制度といい、原則1割の負担で購入やレンタルができます。

ただし収入状況や他の支援サービスの利用状況によっては、他のサービスも含めた上限もあります。

また利用できるかは、子供の障害の状況次第のため、自治体で相談してくださいね。

まとめ

教育費は、どんな進路を選ぶかで大きく変わるのが特徴です。

ただ子供の障害によっては、必然で選ぶ選択肢もあるはず。

その時に少しでもより良い選択ができるように、公的制度は上手く使って負担を少なくすることは大切です。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

ファイナンシャルプランナー 山口 真未

参考

・厚生労働省 障害児施策(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000117218.html

・厚生労働省 補装具費支給制度の概要(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/yogu/aiyo.html

・厚生労働省 日常生活用具給付等事業の概要(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/yogu/seikatsu.html

・文部科学省 特別支援教育就学奨励費(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/hattatu_00001.htm

・文部科学省 高校生等への修学支援(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm

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