年収が増えても 手取りが増えないワケは?

家計・ライフプラン
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こんにちは!障害者ファイナンシャルプランナーの山口真未です。

まみ
まみ

記事のポイント

会社でも個人事業主でも、収入が増えれば純粋に嬉しいですよね。

昇給や昇格、新しい案件など、自分が頑張った仕事の成果が目に見える結果でもあります。

でも収入が増えたはずなのに、使えるお金が変わらない、と気づくときありませんか?

もちろん生活が変わった、出費が増えたは大前提として、考えますよね。

それでもあまり変化がないのに、何故??と思うこともしばしば。

今回は、年収が増えたのに、使えるお金が変わらない!のカラクリをご紹介しますね。

言葉のおさらい。年収と手取りの違いは?

年収と手取りのお話をする前に、まずは言葉のおさらいから始めましょう。

この「年収」と「手取り」の違いがわからないと、この先の内容が混乱しますので、しっかり理解してから進みましょう。

もし、この部分はわかっている!という方は、次の項目へ進んでOKです!

改めて「年収」とは、給与や賞与等を年間で合計した収入のこと。

自営業やフリーランスの方の場合は、主に年間の収入から支出した経費を引いた差額を、年収といいます。

反して「手取り」とは、給与から社会保険料や税金を差し引いた差額のこと。

これは会社員でも、自営業やフリーランスの方でも同じになります。

「年収」と「手取り」では、大きく金額が変わりそうだな、ってことはイメージできたはず。

大きく影響するのが、社会保険料や税金の存在ですよね。

なんとなく給料明細を見て、高いなぁってイメージは持っている方も多いかと思います。

では、その高いなぁの理由を少しだけ紹介しますね。

(※年収や手取りの金額の確認法は、こちらのブログを参考にしてくださいね。)

年収と手取りは過去と今では大違い!!

社会保険料や税金が高いなぁ、って感じること。

それ、結構正しい感覚とも言えます。

実は、昔と今では、大きく手取りの金額が異なるんです!

実は昔は”あんなに”貰えた!?

昔なんて知っても、という気持ちもわかりますが、ココは少し見ておきましょう。

例えば社会保険料のなかで、年金と健康保険の部分について。

約10年前と比較して、年収500万円の場合で金額を比較してみました。(※画像はクリックで大きくなります。)

参考:日本年金機構 年金保険料額表、国民年金保険料
全国健康保険協会 健康保険料率(東京都)より筆者作成

年間で厚生年金で6万円、健康保険で3万円も変わっていることが分かります。

これは昔と同じだけ給料をもらっても、純粋に自分が使えるお金が少ない、と感じる要因ですよね。

同じように、国民年金や国民健康保険も支払う金額が上がっているため、自営業の方でも同じように感じるはず。

もちろん多いからと言って、社会保険料を納めないという選択肢がない以上、関係ないんでは?とも思いますよね。

確かに「納めない」という選択肢は難しいですが、少なくとも未来の計画の大切さには繋げて欲しいです。

過去10年間で、これだけの金額の差があるということは、20年・30年先となれば、さらに負担が大きくなることも考えられます。

少し辛い現実ですが、同じように働いても同じだけのお金が使えるとは限らない、という1つの理由ですよ。

年収が上がっても・・・

社会保険料が増えていくなら、これから仕事をバリバリ頑張って、年収を増やしていけば解決するのでは?と思った方。

もちろん年収が増えれば、手取りが増えることは事実ですよね。

しかし、ココにもちょっとした落とし穴があります。

条件としては、30代の独身の方という仮定の下、年収と手取りを比較してみましょう。

わかりやすく、こちらも表の数字で確認してみてくださいね。(※画像はクリックで大きくなります。)

記事執筆時の最新の税率や料率にて筆者作成

年収が上がれば、手取りも上がりますが、同時に税金や社会保険料も上がっていきますよね。

特に所得税は、累進課税制度といい、収入が増えれば増えるほど納める税金も増えていきます

これにより、ただ年収が倍になっても、使えるお金が倍にならないカラクリの正体です!

収入を増やす方法って?

ただ年収を増やすだけでは、効果が少ないとなれば、ツラい気持ちになりますよね。

ただ安心してくださいね、「収入を増やす方法」ならあります!

年収というと、がむしゃらに働く時間を増やす、とイメージしますよね。

もちろん1つの方法としてはアリですが、他にも方法がありますのでご紹介しますね。

スキルアップで収入を増やす

スキルアップで収入を増やすなんて、わかりきったことを言うな、と思いますか?

確かに従来より、言われている方法ではありますよね。

ただ全く働かなくても生活できるほどの「不労所得」がない限り、働くことでしかお金は生まれませんよね。

そして働く時間をがむしゃらに増やすよりは、同じ働く時間で収入を増やすというのがスキルアップの狙い。

もちろん今あるスキルで、転職によりお給料アップが狙えるならOKです!

ただ今あるスキルでは、転職なんて難しい場合は、まずスキルを身につけましょう!

例えば資格を取ることも1つですし、本を読んで視野を広げるところからスタートでもOK!

何よりもまずは行動して、収入アップを目指してみましょう

お金にも働いてもらう

収入アップの2つ目の方法は、自分以外にお金にも働いてもらうこと

これは簡単に言えば、投資という方法ですね。

投資をすることで、お金そのものが働いて、増えて戻ってくることに繋がります。

しかもこれは、お金の置き場所を変えただけ、とも言い換えられます。

当然、リスクがあるのため、全ての投資をオススメできるわけではありません。

しかし、未来の計画やリスク許容度に合わせて、ぜひ選択肢に加えて欲しいです。

特に今は、銀行にお金を置くだけでは、ほぼ増えない低金利時代。

収入アップを目指すとともに、お金にも働いてもらう道を考えてみてくださいね。

ただし!前提として、ある程度の貯金は残しておきましょう。

全て今ある貯金を、投資で使っちゃえ!とはしないでくださいね。

手取りを増やす方法って?

次に、今すぐできることである、税金関連についてもご紹介しますね。

今既に、やっているという方も、今一度チェックしてみてくださいね。

税控除をしっかり活用

会社員の方なら年末調整、個人事業主やフリーランスの方なら、確定申告で所得の申告をしますよね。

その際には、所得控除や税額控除などを申告しているかと思います。

この控除を申告すればするほど、所得税が減っていくことに繋がりますが、きちんと全て申告できていますか?

そもそも何故、控除を申告すると所得税が減ることになるのか。

収入金額-所得控除=課税所得

この計算式で計算された、課税所得に所得税の税率が掛け合わされて税金が決まります。

結果として、所得控除が多ければ多いほど、所得税も安くなる=手取りが増える、ということですね。

そのため申告できるものは、しっかりと申告して税金を安くしましょう。

特に保険料控除や寄付金控除、障害者控除などは、利用していきたい制度でもありますね。

また医療費を多く支払った場合には、少し大変ですが確定申告を行いましょう。

ラクできる方法として、マイナンバーカードによる確定申告もできますので、ぜひ活用してくださいね。

ふるさと納税、iDeCoも

最後に、ふるさと納税やiDeCoの利用で、税金の控除やメリットを受ける方法もあります。

ふるさと納税は、あくまで税金の前払い制度ですが、お得に品物が貰えますよね。

またiDeCoは、掛け金そのものが所得控除として、差し引くことができます。

これは今の手取りを増やすことにも繋がるので、検討してみてくださいね。

ただし、障害者の方には、少し注意して欲しいこともあります。

iDeCoを始めるときには、未来までの計画を考えてからの利用をオススメしますよ。

まとめ 

年収と手取りの関係性をご紹介しました。

普段は、「自分が使えるお金がいくらある」しか知らない、という方も多いかと思います。

ただ税金や社会保険料は、納めるべきものであり、ゼロにすることは難しいもの。

特に未来まで考えるなら、増える可能性も意識していきたい。

どんな未来を望むにしろ、未来への資産形成が大切であることは間違いありません。

資産形成の金額アップやスピードアップのためにも、手取りを増やして自分で使えるお金は増やしておきたいですね。

さらに言えば、未来までの計画を見通して置ける、ライフプランの作成がベスト!

ぜひ、出来ることからチャレンジしてみてくださいね。

ファイナンシャルプランナー 山口 真未

参考

全国健康保険協会 保険料率

日本年金機構 健康保険・厚生年金保険の保険料関係

国税庁 所得税の税率給与所得控除

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