こんにちは!障害者ファイナンシャルプランナーの山口真未です。
お子さんがいる方は、誰もが悩むであろう教育費。
いくら必要なのか、どうやって貯めていこうか、など考え出すと心配ですよね。
例えば、生まれたばかりなら、今すぐに大きなお金が必要なわけではない、とはわかっている。
でも大学には行かせたいし、習い事もさせたい、と思うとお金は必要。
ここでは、お子さんのための保険の1つ、学資保険について紹介します。
学資保険の特徴は?

まず学資保険に入るべきか、という疑問。
ネット検索しただけでも、学資保険が必要派と不要派で、いろいろな記事が見つかります。
学資保険について、整理しましょう。
そもそも学資保険とは
学資保険について、まずは保険の制度を理解しましょう。
保険の制度を知らずに、必要かどうか、判断できませんよね。
学資保険とは・・・
子供の教育費を、主に貯蓄する目的で加入する保険。
教育に重点を置いているため、学校の入学時に「祝い金」が支払われる、という保険もある。
また万が一の備えとして、死亡保障があるので、何かあったときに子供の為にお金を残せる。
保険の種類によっては、保険料として払った以上に、お金が戻ってきます、というものもありますよね。(返戻率が100%以上、という保険です。)
学資保険に入る目的は?何のため??
学資保険の内容だけを見ると、お得じゃん!となりますよね。
確かに、祝い金がもらえたり、払った以上に戻ってくるかも。
そのポイントだけを見れば、とても良い保険のように感じます。
ただ、保険ですから、デメリットがあるのは確実です。
そのメリット・デメリットを見る前に、まず考えてほしいコトがあります。
それは「学資保険に入る目的はなんでしょうか?」です。
答えは、教育費を貯めるため、ですよね。
保険の祝い金のためでも、お金儲けをしたいわけでもありません。
残念ながら、世の中にお金に関するもので、「すっごくお得だから!絶対入るべきだよ!!」なんて言葉ほど、怖いモノはありませんよ。
そんな詐欺のような儲け話、絶対にありませんからね。(私が言うまでもありませんが)
では、目的の「教育費を貯める」ということは、学資保険でなければできないのでしょうか?
教育費を貯める=お金を貯める、という方法は、保険以外でもあるはずです。
よって、保険に入るときに考えてほしい流れは、以下の通りです。
子供が生まれた!=学資保険に入らなきゃ!
①教育費を貯めなきゃ
②どれくらいのお金が必要かな?
③どの方法がいいかな?
④私には「学資保険」がいいかな
ここまで考えて、学資保険で教育費を貯める方法が自分には合っている、となってから保険には入りましょう。
なんとなく誰かに言われたから、雑誌に書いてあったから、では危険ですよ!
学資保険のメリット・デメリット

ではそのお金を貯めるために、学資保険に入るべきか。
学資保険のメリット・デメリットは何でしょうか?
メリット
まず、学資保険に入るメリットを整理しましょう。
この4つが主に、学資保険のメリットとして、あげることができます。
①毎月、ほとんど強制的に貯蓄できる
保険料は、ほとんどの場合、加入した後は保険会社にお任せとなりますよね。
これは加入した時に毎月、銀行口座から引き落とし等するように設定したためです。
それはただ、楽というだけではなく、半強制的に貯蓄できる、ということでもあります。
お給料で入ったお金は、あるだけ使ってしまう、という方には最大のメリットです。
また毎月、決めた金額を”勝手に”貯めておいてくれる、という点でも、面倒がなくていい、という方もいらっしゃいますね。
②万が一に備えることができる
保険という性質上、万が一の備えにもなります。
保険の内容にもよりますが、死亡保障として死亡保険金が出る場合や、その後の保険料の払い込みが免除される場合もあります。
これにより、お金を理由に、進学をあきらめるという、可能性が低くなりますよね。
③払ったお金以上に、戻ってくる場合がある(返戻率が100%以上)
これも保険の内容によりますが、払った保険を保険会社が運用して、増やしてくれる場合があります。
今は銀行に預けていても、ほとんど利息が付きません。
それなら保険料として払って、お金を運用してもらって、少しでも増やすことを期待する、ということですね。
④生命保険料控除の対象となる
生命保険料控除によって、毎年の所得税や住民税が安くなることもあります。
ただし、これは他の保険によって、既に控除の枠がいっぱいになっているという場合は、メリットがないかもしれません。
デメリット
では、学資保険に入るデメリットは何でしょうか?
①「保険の解約」をしなければ引き出せない
まず1つ目は、急にお金が必要になったときに、対応が難しい点ですね。
保険として運用している以上、自由にお金を引き出すことはできません。
どうしてもお金が必要な場合は、「保険の解約」となり、その場合は元本割れする可能性が非常に高いです。
②返戻率が低い
これは貯蓄として考えた場合に、せっかく預けているお金なのだから、少しでも増えてほしいということですね。
銀行の利率のように、保険にも「返戻率」と言って、払った保険料が、払ったお金以上に戻ってくる場合があります。
ただ今は、低金利時代と言われている以上、この返戻率も低いことが多いです。
③払ったお金に対して、戻ってくるお金が少なくなることも(元本割れ)
3つ目は、保険料として払ったお金が、少なくなる場合です。
これは2つ目とは違い、損をした、元本割れした、ということですね。
概ね、学資保険は、預けた保険料を保険会社が運用しています。
この運用次第では、せっかく預けたお金が、受け取るときには少なくなっている、という可能性も。
仮に毎月コツコツと貯めた100万円が、受け取ったら90万円になった、となれば悲しいですよね。
もちろん、その逆に、運用次第では100万円が120万円になることもあります。
④保険会社が倒産した場合、全額は保護されない
保険会社の倒産なんて、まさか、と思うでしょうが、過去に例があることは事実です。
最近では、2008年のリーマンショックの際に、1社倒産をしています。
保険会社が倒産した場合、預けていた保険はどうなるか。
法律によって保護されるのは、責任準備金(※)の90%までとなっています。
倒産した保険会社の状況にもよるため、100%お金が返ってくる場合もあります。
ただし、保険を引き継いだ会社によっては、保険の内容が悪くなったり、最悪は何割かのお金が戻ってこないかもしれない、可能性も。
※責任準備金とは、保険会社が保険金の給付や解約返戻金の支払いに備えて積み立てておく必要があるお金のことです。
⑤告知義務により、加入できない場合も
学資保険は、お子さんの教育の為に加入するものではありますが、健康状態について告知義務があります。
これは、保険である以上、万が一の時に死亡保障や保険料の払込が免除される場合があるためです。
告知義務は、契約者(=親)だけの場合と、お子さんの両方である場合があります。
障害を持っている場合、この告知義務により、学資保険に入ることができないことも。
その場合は、学資保険以外の方法で、しっかりと準備していきましょう!
学資保険以外の方法で、貯蓄する方法はこちらの記事を参考にしてくださいね。
学資保険が必要人・不要な人 チェックリスト
メリット・デメリット等を踏まえて、学資保険に入った方がいいか、再度チェックしてみましょう。
これが全てではありませんが、考える参考にはなるはずです。
悩んでいる、という方は、やってみてくださいね。
注意するべきポイントは、万が一の備えの部分です。
保険として、特に重要視される部分とも言えますよね。
ただしこれは、学資保険以外でも備えることができます。
例えば、既にほかの保険で死亡保障が十分にされる、という場合は、無理に学資保険に入る必要がなくなりますよ。
学資保険のメリットとデメリットを理解した上で加入しよう

学資保険は、お子さんの教育資金のために「絶対に」必要でしょうか?
メリット・デメリットがあるように、生活のスタイルや今の家族の状況などによっても、必要性は変わります。
保険は、一種の契約であり、「誰かに言われたから」という理由では後悔しがちです。
保険料を払うのは自分で、その保険料を払うお金はせっかく頑張って働いてもらったお給料です。
お子さんのためにも、なぜ必要か、を考えて、計画的に準備していきましょう!
ファイナンシャルプランナー 山口 真未
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