こんにちは!障害者ファイナンシャルプランナーの山口真未です。

パパママは気になる、子供の教育費について。
小学校や中学校、高校までいったら、その先の進路も気になりますよね。
大学に行く際にご家庭によっては奨学金を考えますが、実は障害者の方への配慮があるって知っていますか?
そこで今回は大学の費用にスポットを当てて、ご紹介します!
※就学前から高校までのお金については、こちらの記事を参考にしてくださいね。
教育費の要!?大学のお金一覧!
高校の後の進路は大きな分かれ道で、就職するか、進学するか。
よし!大学へ行こう!とお子様が決めたとき、ちょっと気になるお金のこと。
大学費用ってどれくらいかかるの?
大学の費用について、ココではあくまでサクッと、かかるお金のイメージをつかみましょう!
※クリックで画像は大きくなります。
選ぶ学部によって、大きく変わることが分かりますよね。
また小学校~高校までと同じく、「国立」か「私立」かでも大きく影響します。
とはいえ、これはあくまで平均値であって、実際の大学によって変わるので注意しましょう。
自宅か一人暮らしかで、大きく変わる
大学生ともなると、高校生まで以上にエリアに縛られることが少なくなりますよね。
例えば大学と共に上京して、なんて、よく聞く言葉でもあります。
ただしその場合は、お金に大きな影響があることは、念頭に置いておきましょう。
これは想像すると分かりやすいですが、一人暮らしなら家賃や光熱費が必要ですよね。
大学によっては、寮や下宿が用意されている場合もあります。
そのため大学がある場所や学部のチェックと一緒に、寮等があるか、利用できるかも一緒に情報収集したいですね。
大学の奨学金の利用は?

ざっくりとかかるお金をみると、「用意できない=大学に行けない」と思いがち。
その手助けとして、奨学金を利用して大学へ行く、という選択肢もあります。
ここでは奨学金について、少しだけ紹介しますね。
奨学金ってどこが貸してくれるの?
そもそも奨学金を出してくれる団体は、3,000以上の団体があり、地方自治体や学校等、さまざまです。
その中でも多くの人に利用されているのが、「日本学生支援機構」(略称:JASS)。
ここは怪しい企業等ではなく、文部科学省所管の独立行政法人となっています。
また過去は「日本育英会」と、他の複数の組織が合わさって出来た組織でもあります。
「日本学生支援機構」でピンとこない方でも、「日本育英会」なら聞いたことがあるかもしれませんね。
奨学金って絶対返すの?
奨学金には大きく分けて、3つの部類があります。
また更に細かい分類で、「第一種」「第二種」などあり、借りれる金額や利子の利率が変わってきます。
それぞれ細かい審査基準もあるため、利用したい全員が使えわけではないのも特徴の一つ。
更に奨学金の運営団体によっては、細かい基準がある場合もあります。
詳しくは奨学金についてのリーフレットやHPを参考にしてくださいね。
※参考
独立行政法人日本学生支援機構 「奨学金制度の種類と概要」(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/index.html)
大学生の奨学金利用率
奨学金については、ご存知の方も多いですよね。
ただ大学生の内、どれくらいの人が利用しているのか、は知らない方も多いはず。
「日本学生支援機構」による令和2年度現在の調査では、4年生の大学に通ううち、約5割の学生が奨学金を利用しています。
簡単に言えば、2人に1人という計算ですね。
ちなみに平成14年度には、約3割だったことを見ると、増加傾向とも言えます。
※参考
独立行政法人日本学生支援機構 「令和2年度学生生活調査」(https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/2020.html)
奨学金での障害者配慮って?

実は奨学金を借りる際に、障害者の方へ配慮があります。
これは学生本人が障害者なのか、または学生の両親が障害者なのかで、条件等が変わります。
ここでは一例として、「日本学生支援機構」の場合で紹介しますね。
収入要件の緩和(障害者控除)
奨学金は基本的に、家族の収入状況によって利用できるか判断されます。
その収入状況を判断する際には、「奨学金を申し込んだ人のいる世帯」の収入となります。
年間の収入から障害者控除として「障害者1人につき99万円」を控除することができます。
例えば申し込みの基準が「747万円」の場合、99万円を加えて「846万円」までとなります。
家計基準の判断には、他にも「長期療養者控除」や「母子・父子世帯控除」があります。
障害者の方以外でも、メリットがある場合もありますので、詳しい条件を確認してみてくださいね。
障害者がいる世帯でも、収入基準の緩和
上の障害者控除とは別に、「家計特例」というものもあります。
これは申込者本人が障害がある、世帯に障害者等がいる場合、収入の基準額が緩和されます。
ただし緩和の基準は、障害の状況等にもよりますので、ご注意くださいね。
障害者本人の場合は、学力基準の緩和
これは学生となる本人が、障害者である場合です。
基本的に奨学金を借りる際は、種類に応じて学力の基準があります。
その学力基準が一部緩和されます。
申請に必要なモノは?
基本的には、障害者手帳のコピーや医師の証明書等のコピーが必要になります。
障害者手帳を持っていない場合は、医師へお願いとなるため、スケジュールを確認して早めに動きたいですね。
障害年金をもらっている場合は?
奨学金の申し込みに、収入が関わると上記でご紹介しました。
その収入には、障害年金が含まれるの?と疑問になりますよね。
結論から言うと、障害年金は収入に含まれません!
理由として障害年金は、非課税所得となるためですね。
これは本人の場合でも、ご両親や世帯にいる人が受給している場合でも変わりません。
その代わり、障害者手帳の有無や医師等の証明は必要になりますので、ご注意くださいね。
※参考
独立行政法人日本学生支援機構 「奨学金事業における障害のある方への配慮」(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/support_handy.html)
他にも配慮のある奨学金の団体について

ここでは主に利用者の多い「日本学生支援機構」を紹介しました。
ただ実は、他の奨学金の団体でも障害のある方へ配慮がある場合も。
例えば「一般財団法人あしなが育英会」では、ご両親に障害があるという方へ貸し出しをしています。
また「公益財団法人ヤマト福祉財団」では、学生本人が障害のある方へ貸し出しを行っています。
他にも学校等でも配慮がある場合もありますので、細かい条件等を確認してみてくださいね。
※一般財団法人あしなが育英会 「奨学金を利用したい方へ」(https://www.ashinaga.org/scholarship/for-applicants/)
※公益財団法人ヤマト福祉財団 「障がいのある大学生への奨学金支給」(https://www.yamato-fukushi.jp/works/scholarship.html)
まとめ

今回は大学費用について、ご紹介をしました。
高校までとは違い、大きくお金が掛かる部分でもあります。
とはいえ、お金のことだけで未来を閉ざすのも”もったいない”、と考えますよね。
全ての人が奨学金を利用して、大学へ通うべきとは思いませんが、利用できる制度ではあります。
ただし奨学金の仕組みや返済の必要がある等、気を付ける部分もあります。
利用する際には、障害者による配慮事項も視野に入れつつ、考えていきましょう。
ファイナンシャルプランナー 山口 真未
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