こんにちは!障害者ファイナンシャルプランナーの山口真未です。
お子さんがいらっしゃる方は、誰もが悩むであろう教育費。
まだファイナンシャルプランナーとして、準備中の私ですが、有り難いことに早速ご質問をいただきました!
その内容が、皆さん知りたい話題かな、と思い、ご理解を得てご紹介しますね。
もちろん障害者だからこそ、気になるポイントも盛り込んで紹介しますので、最後までお付き合いください。
ご相談内容
まずは、ご相談内容を紹介しますね。

今、2人目(1歳)の子供の学資保険に入ろうか検討しています。
1人目は学資保険に入ったので、2人目も必要かなと考えています。
そこで、保険の相談窓口みたいなところで、学資保険について聞いてみたけど・・・どれがいいのかわからなくて。
保険の内容も元本割れリスクの有る、貯蓄運用型ばかり。
お金が減ることも不安だし、あまり保険を掛けてもお金が増えない以上、メリットがあるのかわからないです。
私には、どの学資保険がいいのか、教えて下さい!
それか学資保険以外に、良い方法があれば、それも教えて下さい!
内容は、抜粋して記載いたしました。
ご相談、ありがとうございます!
ご相談内容の要点
さて、少し内容を整理しますね。
ざっと、ご相談内容と、ご家族のことを整理しました。
今はまだお子様が小さいため、奥さまは働く予定があるものの、バリバリと働く、ということではないそう。
その中でも教育費を早めに考えて、準備しなきゃ、と動くことは大切ですよね。
まずは結論を。
「学資保険に入るべきか」は、現在の保険の加入状況や貯蓄により変わる!
「学資保険以外の方法」は、お金を運用・投資することが許容できるかにもよる!
なんともはっきりしないな、となるかもしれませんね。
もちろん、きちんと理由がありますよ。
さて、では一つひとつ、ポイントを整理しながら解説していきます!
学資保険には入るべきか?

まず疑問に思っている、学資保険に入るべきか、という疑問。
これはお子さんがいる方は、1度は疑問になりますよね。
ネット検索しただけでも、学資保険が必要派と不要派で、いろいろな記事が見つかります。
まずは、学資保険という保険について、ご存知でしょうか?
そもそもどんな保険かわからない、という方はこちらの記事から読んでみてくださいね。
学資保険に入る目的は?
まず、学資保険に入るべきか、入らざるべきか。
これは保険全般にも言えますが、目的を明確にしましょう。
学資保険なら・・・
「学資保険に入る」=「教育費を貯蓄するため」
この目的を忘れずに、検討することが大切です。
保険には色々な種類があり、中にはお得感を前面に打ち出してくる商品も多くあります。
ただ、そのお得感に惑わされると、実はハイリスクな保険だった!と後で後悔することになります。
特に学資保険は、”将来のお子さんの教育費”という大切なお金を用意するためのものですよね。
もちろん、少しでも得をしたい、という気持ちはわかりますが、お金儲けをするために保険に加入するわけではありません。
目的を忘れずに、1つ1つ、自分に合った方法を検討していきましょう!
必要なお金、すぐに言えますか?

さて学資保険に入る目的が明確になったところで、疑問がまた生まれますよね。
「教育費を貯める」とは、具体的にいくらでしょうか?
教育費を貯めるために必要なことは?
教育費はお金がかかる、と漠然と思って、行動するのはオススメしません。
何故なら、人間は漠然と、大体これくらい、などというものに対しては、甘えが出てしまうから。
皆さんも経験のある、「夏休みの宿題、いつかはやる」というのと一緒ですね。(あ、ダイエットを、いつかはやる問題でもいいですよ(笑))
いつか、を明確にしなければ、結局、ずるずると出来ないまま、時が過ぎ去ります。
またお金に関しては、目標の数字がないと、無理な節約で辛くなったり、逆に旅行行きたいから使っちゃえ、と貯まらなかったりします。
少し怖くなりますが、きちんと目標の数字を見据えましょう。
教育費はいくら必要?
では実際の教育費、最新の数字を見てみましょう。

ざっと、公立なら1,000万円程度、私立なら2,500万円程度となります。
公立と私立では大きな差ですよね。
幼稚園や小学校などの時期は、住んでいる地域によって、家の近くにある場所を選択することが多くなります。
ただ大学は、1人暮らしをすることも視野に入り、選択肢が大幅に広がりますよね。
進学した人の割合でみると、私立大学は7割以上と、国公立と比べると大幅な差も。
仮に大学のみ、私立へ進学すると試算しても、1,200万円程度、となります。
教育費以外にも・・・
子供はお勉強にだけ、お金が必要でしょうか?
これもまた違いますよね。
上記で紹介した金額には、学校外での活動費、いわゆる塾なども盛り込まれている数字です。
しかしこれらは、ピンからキリまでという言葉の通り、キリがないものでもあります。
習い事に掛かるお金でも、月謝から交通費、習い事によっては道具等を買うお金も必要になります。
他にも、高校のとき留学に行くことになった、などお金が必要になる面は多々ありますよね。
もちろん、これらのお金はいきなり、高額が一度に必要になることは少ないため、あまり過度に心配する必要はありません。
ただ上記で紹介した、金額さえあれば絶対大丈夫、は違う、と念頭に置いておきましょう。
幼稚園や高校の無償化は?
必要になるお金の話ばかりで、少し辛くなる皆さま。
朗報ですよ!
ご存知の方も多いかもしれませんが、幼稚園や高等学校が無償化する、というニュースが少し前にありましたよね。
幼児教育・保育の無償化
幼稚園や保育園などは、年齢や世帯の収入状況によって、利用料が無料になります。
ただしこれは、どの幼稚園や保育園に入るか、にも関わります。
細かい条件があるため割愛しますが、内閣府のHPでは、YES/NOで答えていくチャートなどもあります。
そのリンク先を紹介しますので、今まさに!という方は覗いてみてくださいね。
参考
高校の無償化
高等学校についても、2020年4月より無償化が始まっています。
正確には、年収によって支援が出るため、授業料がほぼ無償化になる、という形ですね。
残念ながら高校に通うためには、授業料以外にも教科書代や交通費など諸費用がかかります。
これらのお金は別途、必要になることは理解しておきましょう。
また、まだお子さんが小さい場合は、先のこと、となるかもしれませんが、お金を試算する上では考慮できる場合もあります。
参考までに、年収別にまとめたものを紹介しますね。

学資保険のメリット・デメリット

具体的に、教育費に必要となるお金が見えましたね。
ではそのお金を貯めるために、学資保険に入るべきか。
いよいよ「学資保険に入るべきか」という問題を解決しましょう!
メリット・デメリット
メリット・デメリットは何でしょうか?
必要か不要かを考える上でも、気になるポイントですよね。
これらが、メリット・デメリットとして挙げられます。
詳細な解説がみたい!という方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
注意!告知義務により、加入できない場合も
ご相談者様はご両親・お子様共に、健康状態が良好なため、自由に保険に入ることができます。
ただし障害を持っている場合、保険は告知義務により入ることができない場合がおおいですよね。
学資保険は、お子さんの教育の為に加入するものではありますが、健康状態について告知義務があります。
これは学資保険の特徴の一つに、万が一の時に死亡保障や保険料の払込が免除される場合があるためです。
告知義務は、契約者(=親)だけの場合と、お子さんも必要である場合があります。
もしどうしても学資保険に入りたい、という場合は、契約者を障害を持っていない人にすることになります。(例:配偶者や祖父母など)
また保険によっては、死亡保障等の万が一の備えを外して、契約することができる場合も。
その際は、ただの貯蓄商品と同等になります。
ただ無理に保障を外さなくても、学資保険以外の方法で、しっかりと準備できるため、よく検討してくださいね。
学資保険に入るべき? チェックリスト
学資保険に入るべきか、チェックリストを作りました!
これが全てではありませんが、考える参考にはなるはず。
悩んでいる、という方は、やってみてくださいね。
注意するべきポイントは、万が一の備えの部分です。
ただしこれは、学資保険以外でも備えることができます。
例えば、既にほかの保険で死亡保障が十分にされる、という場合は、無理に学資保険に入る必要がなくなりますよ。
学資保険以外に教育費を貯める方法、あります!

では学資保険に入る以外の方法で、お子さんの教育資金を貯める方法は何があるでしょうか?
もちろん、毎月のお給料から、自分で決めた金額を使わないで残しておく、というのも1つの方法です。
ここでは、ただ残す、という以外の方法で、貯蓄していく方法を紹介しますね。
定期積立(自動定期積立や財形貯蓄など)
銀行などにある制度の一つで、一定の金額を簡単には引き出せないようにする代わりに、金利が高くなるものですね。
既に一定の金額の貯金があり、低金利の銀行に預けっぱなし、という方にオススメです。
また、絶対にお金を減らしたくない、という方にもオススメです。
他にも「自動定期積立」という制度で、毎月のお給料より自分で決めた金額を、普段使う口座とは別で積み立てていく、という方法もあります。
もし会社で財形貯蓄制度があるという方には、そちらもオススメですよ。
この方法でお金を貯めていくときのポイントは、「可能な限り金利が高いところへ預ける」ということ。
今は低金利時代ですが、ネット銀行などは少し金利が高くなる傾向もありますよ。
銀行の使い勝手も含めて、検討してみてくださいね。
つみたてNISA
数年前より登場している、個人の投資制度ですね。
投資なんて、教育資金には向かないのでは、と思うかもしれません。
しかしお金が必要なのは、教育だけではないはずです。
例えば、家を買いたいな、と思えば、頭金が必要になるだから貯金しなきゃ、となりますよね。
お金が必要になるのは、いろいろな場面である以上、少しでもいい条件でお金を増やしたいはず。
お金を増やす方法の1つに、つみたてNISAという制度がある以上、教育資金としても有効ですよ。
つみたてNISAで貯蓄したお金は、何に使っても自由ですからね!
ただし!!教育に関するお金、全てをつみたてNISAで準備することは、オススメしません。
投資である以上、お金が増える可能性も減る可能性もあります。
他の方法と組み合わせて、リスク分散をしながら、長期的視野でお金を運用していきましょう。
詳しい制度の紹介は、別の記事でじっくり行いますね。
低解約返戻金型終身保険(終身保険の一種)
学資保険とは、別の保険で準備するという方法の提案です。
保険の名前だけ聞くと、難しいかもしれませんが、いわゆる終身保険の一種となります。
この保険はそもそも、お子さんの教育資金を準備する、ということをメインにはしていません。
その代わり、もしお子さんの教育資金を別の方法で用意できたから、と保険に加入したままにもできます。
この保険はいわゆる終身保険ですが、一定期間は保険を解約した場合、解約返戻金が少なく元本割れ=損をする保険、となっています。
しかしその分、保険料が割安で、毎月の負担が軽減される、というのが特徴。
また保険料を納めれば、元本割れはせずに、きちんと解約返戻金が満額返ってくることになります。

この「一定期間」を教育資金がまとめて必要になりそうな、大学の入学時に合わせて保険に入っておく。
そして解約返戻金が満額貰えるようになったら、保険の解約をして、教育資金に充てるという方法ですね。
少し学資保険にも似ていますが、保険の内容によっては、学資保険よりもこちらの保険の方が便利、という場合も。
教育資金の保険は学資保険、と決めてしまわずに、柔軟にお金の使い道として、考えてみるのも1つの方法ですよ。
学資保険に入るべきか、色々な角度で考えてみて

お子さんの教育資金について、学資保険に入るべきか、他の方法で準備するか。
ここまで紹介した通り、色々な面で、メリット・デメリットがあります。
ご相談者様には結論をお話しした上で、理由をお話しし、ご納得いただきました。
幸い、お話を聞く限りは、急いで学資保険に入る必要性もなく、コツコツ貯金することもできる方でした。
慌てて選択肢を狭めるのではなく、先々のことまで考えてからでも遅くない、と結論づけました。
また教育資金を考えるだけではなく、他のお金も重要です。
今後、家族として迎えるイベントごとを、1つ1つ、今の考えや優先順位を整理することも必要であること。
ライフプランを考えてから、保険のことや投資まで挑戦できればいいとアドバイスしました。
学資保険にこだわらず、お金を貯める方法は数多あるので、柔軟に使い分けて将来に備えていくことが大切ですね。
相談を受けて、改めて早急にファイナンシャルプランナーの準備を早めよう、と実感しました。
ご相談、ありがとうございました!
ファイナンシャルプランナー 山口 真未
コメント