「そろそろ家を購入しようかな?」と思ったら!~障害者FPが考えるポイントとは?~

家計・ライフプラン
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こんにちは!障害者ファイナンシャルプランナーの山口真未です。

まみ
まみ

記事のポイント

『不動産』といえば、人生の中で一番大きな買い物、と言っても過言ではないはず。

そもそも、どう考えればいいの?と自分がわからないことが、わからないともなりがち。

でも「そろそろ家を考えなきゃな~」と思うタイミングが、何度か訪れますよね。

ここでは家について、知って欲しい視点・知って欲しい知識を計4回に渡って紹介します。

また「家なんてまだまだ早い!」と思っている方は、ぜひ将来まで含めて考えて欲しい、視点も盛り込んでいます。

よくある一般論から、障害者の方へ考えて欲しいことも含めて紹介しますよ~。

※前提として、私は不動産のプロ等ではありません。あくまで1人のFPとして、障害者としての視点です。

そもそも家を買いたい!と思うタイミングは?

初めてのお買い物、となるのが「家の購入」。

しかも「買ってみて、やっぱやーめた」なんてできないような、高額商品。

そろそろと思っても、「やっぱり今じゃないかも?」と不安にもなりますよね。

ココでは、みんなはどうなの?という統計データを紹介します。

年齢や年収

世帯主の年齢(全国)
※画像はクリックで大きく表示できます
※データは全て全国の調査結果
出典:国土交通省「令和2年度住宅市場動向調査」をもとに筆者作成

年齢では30代か40代が、どの家の購入でも多いという結果。

年齢だけの話で言えば、やはり住宅ローンの完済したとき、自分が何歳なのかを気を付けたいですね。

そのため30代か40代が必然的に多くなる、という結果かなと推測します。

※画像はクリックで大きく表示できます
※データは全て全国の調査結果
出典:国土交通省「令和2年度住宅市場動向調査」をもとに筆者作成

年収でいえば、600万~800万が一番多いという結果に。

別途、お金編で住宅ローンの目安なども触れますが、無理のない借入額は年収の20~25%程度と言われています。

そのため例えば、年収600万円ならざっくりと、年間の返済額が120万円~150万円程度。

月額なら10万円~12.5万円となれば、なんとなく今の生活と照らし合わせてイメージが出来るでしょうか?

この年間の返済額を35年ローンとするなら、4,000万円程度の物件となりますよね。

(※あくまでざっくりとした、イメージをつかむため、諸経費や住宅ローンの金利などを無視して、計算しています。)

ライフステージ

住宅はやはり、ライフステージの変化で購入を考えることが多いのでは?

住宅の購入動機で多いのは以下の4つ。

  • 結婚したとき
  • 子供が生まれたとき
  • 子供が入園や入学するとき
  • 定年退職したあと

これはスグに想像ができますよね。

やはり家族の変化や仕事の変化で、家のことを考える機会が多いかなと思います。

障害者の場合+αの視点が必要!?

車椅子の女性

ここまでよく見かける一般論をお話してきましたが、ここからは「障害者の場合」という視点。

障害者FPとして、終活アドバイザーとして、考えるための+αの視点を紹介しますね。

今のお金 VS 将来のお金

家の購入で視点として、今、頑張ってローンを払って老後を少しでもラクにするか。

それとも将来困るかな、と思いつつ、今を楽しくすることを第一とするか。

これは考え方次第、価値観の違いでもあるため、どちらが正しいかは難しい、と思っています。

しかし障害者の方の場合、とあえていうのも少しおかしな話かもしれませんが・・・。

未来の仕事のこと、もっと細かく言えば収入の金額のこと。

どこまで正確に読めるでしょうか?

未来も仕事が続けられるかな、今と同じだけ10年後も20年後も稼げるかな、と不安があるのでは?

仕事の内容だけでなく、障害の状況や程度にもよると思います。

どんなに先でも障害の程度は、ほとんど変わらない人もいれば、私のように進行することも。

では私のように進行性の病気で、10年後や20年後に働けるか不安があるなら・・・。

早めに家のことを考えて、お金の対策をする方が安心ではないでしょうか。

「家を買うとなれば、頭金を出すでしょ?今せっかくある貯金が減るのが嫌だな。」

「住宅ローンを組むとなれば、生活の質が落ちるかも。我慢が多くなりそうだし。月々の返済で大変な思いするのが嫌だな。」

また「あまり良くない将来など考えたくない」という気持ちもわかります。

今すぐ使えるお金と、将来まで安心して暮らせる家を考えること、どちらがいいでしょうか?

将来に使えるお金を少しでも増やすために、早めに考える。

例えば、20年後の自分に不安があるなら、20年の間にほとんどの住宅ローンを返す、と計画もできますよね。

もちろん金額や計画次第ですが、早めの行動がカギになることは変わりないですよね。

今の住み心地 VS 将来の住み心地

車椅子を使っている等の理由で、一定のバリアフリーが欲しい!という場合。

お金問題よりも、さらに一歩踏み込んだ視点が必要ですよね。

それは「将来、自分が住むことができるか」ということ。

もし障害の程度が進行しないとしても、老化現象は誰にでも訪れます

今できることが、将来はできないかもしれない。

もしかしたら健常者よりも、人や道具、設備に頼る可能性がありますよね。

どれに頼るにしても、自宅で過ごすなら一定のスペースが必要です。

さらに道具や設備次第では、家の改造が必要になります。

かくいう私も今は、一人暮らしの普通のマンションで、エレベーターはあるものの玄関の段差もあれば、トイレや風呂も普通仕様。

今以上に病気の進行があれば、確実に住むことができません。

では、いざ住めなくなったな、と家探しを始めることは正解でしょうか?

私の場合は、将来住めないことが分かっている以上、次の家を考えています。(今現在、準備中のためレポができるようになったら、ココで大々的にしますね!)

私のような進行性の病気だから、というのは、少し特殊かもしれませんね。

しかし将来も自分が住めるか、住むための工夫をする余地があるのか、まで考えること。

障害者の方の場合は、早めに考えて動く方がいいのではないでしょうか。

特に家を買う、となれば大きなお金が必要であることは間違いがありません。

どんな対策をするにしても、早ければ早いほど準備の選択肢が広がりますよ!

今、実家に住んでいる、という方へ。

一定のバリアフリーが必要だから、実家に住んでいる、という方もいるはず。

もちろん、そのことを否定するつもりも、一人暮らしをすることが正解だとも考えていません。

ただ将来に目を向けたときに、いつまで実家に住むことができるのか。

例えば、ご両親に”もしものこと”があったときに、実家をどうする予定なのか。

もし住み続けるのであれば、今までご両親が払っていたであろう、家に対する税金や維持費というお金が必要になります。

またご兄弟等がいる場合は、実家は「相続」の対象にも。

あまり”もしものこと”、考えたくない気持ちもありますが、早めに将来まで含めて考えることをオススメします。

購入 VS 賃貸だとどっち?

手すりを持つ男性

よく家の購入を考えると、本やネット記事でも見かけるのが、購入VS賃貸という論争。

購入した方が安い、賃貸の方が自由でいい、などメリット・デメリットがありますよね。

よくある一般論は、少しだけ横において「障害者の場合は」を考えましょう。

障害の程度や状況によりますが、将来まで含めてバリアフリーの設備が欲しい場合。

私としては、購入の一択になるかと思います。

残念ながら、賃貸住宅で一定以上のバリアフリー物件を探すことは、すごく難しいですよね。(私が言うまでもないかもしれませんが。)

そして賃貸では、何かをすることに制約がつきもの。

当然ですが、バリアフリーの為に改造する、なんて”もってのほか”ですよね。

さらに一歩踏み込めば、購入の中でも「注文住宅」か「中古を購入後にフルリノベーション」の結論が多いかもしれません。

例えば手すり1つ付けるにも、壁には補強が必要になります。

この壁補強がされているか、といえば通常はありません。

その場合、壁の一部にしか手すりを付けられない=位置が悪くて自分が使えない、ともなりかねませんよね。

結果として、分譲マンションや分譲住宅、ではなく、一から作り上げる「注文住宅」か「フルリノベーションが前提の中古住宅」となるかと思います。

そうなれば、そもそも「賃貸 VS 購入」の問題ではなく、「将来まで自分が住める家はどれか」の視点が大切ではないでしょうか。

購入の前に考えたい事

購入前にお金の計画をしっかりと

ここまで住宅の選ぶための視点を紹介してきました。

あれ、私の場合、家を早めに考えないとやばいかも!?と思った方。

少し落ち着きましょう。

2つだけ必ず心構えをしてから、家の楽しい話などを聞くようにしてくださいね。

住宅の即決はNG

大前提となりますが、住宅を即決で、気に入った!と買うこと。

なかなか無いと思うかもしれませんが、即断即決はやめましょう(実際に私の知り合いに即決した方いますので、無い話ではないのです。)

例えば、マンションの内覧会に行ってみたら・・・

意外とバリアフリーで住みやすそうだし、綺麗だし、周囲の環境も悪くなさそう?

説明している人も、オススメって言ってるし、無くなると困るから・・・

買っちゃおう!なんてこと、実は一定数あるようです。

もちろん、イメージを掴むために、実際に見に行くことは重要です。

しかし、「その場で決める!はNG!!」と心に決めて、内覧会へ行くようにしましょう。

お金の見通しをしっかりと

当然ですが、住宅の購入となれば、大きなお金が動くことになります。

住宅ローンと聞くと、みんながやってることだから、安心のように聞こえますが・・・

「大きな借金」であることに変わりありません

返済する義務もありますし、毎月の返済金額によっては、毎月の生活にも変化があります。

さらには、せっかく将来を考えた住宅ローンなのに、老後の資金や教育費が足りないでは本末転倒では?

しっかり将来までお金の計画を見越して、家を考えること。

これには、ライフプランをしっかり立てて、無理のない範囲で家を購入する。

これが何よりも「あなたの『今』も『将来』も守る」ために必要では?

まとめ

バリアフリー

今回は、家を購入しようかな、と思ったときに考えて欲しいことや心構えを紹介しました。

障害の程度や状況、将来の見通しなどにもよって、大きく変わる部分もあるかと思います。

残念ながら、ココで全ての具体例をあげることはできませんが・・・。

「そろそろ家を考えたい」と思ったとき、障害者の場合は考えて欲しい視点が多くあります。

ぜひ「私の将来はどうかな?」と考えるきっかけになればと思います。

次回は、住宅に関わるお金の話を紹介しますね。

補足として、無理やり家を買う必要がある、とは考えていません。

将来は完全介護のある施設を考えているから、という方もいますよね。

ただし、その場合でも完全介護の施設には、毎月いくらのお金が必要でしょうか。

ぜひそこまで考えて、将来の自分の住む場所の選択肢を検討してくださいね。

ファイナンシャルプランナー 山口 真未

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